山口の一つ火
やまぐちのひとつび

 長野県に伝わる火の妖怪。
 昔、山口村にいた娘が、松代の若者に恋をしました。娘は毎日夜になると、山を通って若者に会いに行きました。娘はいつも若者に、土産として搗いたばかりの餅を渡しました。若者は不思議に思い、なぜ搗きたての餅を持ってこられるのか娘に訊ねました。すると娘は、「家から出るときに米を掴むと、山を越えてくる最中に、いつの間にか餅になってしまうのです」と答えました。それを不気味に感じた若者は、いっそのこと娘を殺そうと思い、ある日、娘を崖から突き落としてしまいました。
 それからというもの、太郎山では夜の10時を過ぎたころになると火の玉が出るようになったそうです。

 


参考文献
本妖怪事典』 村上健司 (毎日新聞社)


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