山地乳
やまちち


『絵本百物語』二 「山地乳」
桃山人・文、竹原春泉・画
【江戸時代】

 『絵本百物語』(1841)に描かれている妖怪。
 「このもの人の寝息をすいあとにて其人の胸をたたくとひとしく死するとなり されどもあいねまの人目をさませばかへりて命ながしといふ 奥州におほく居るよしいひつたふ」 と記されています。
 年をとった蝙蝠が野衾となり、それがさらに年を経ると山地乳になるそうです。山に隠れ住むことから山地乳と呼ぶのだそうで、深山では「さとりかひ」と言います。人の寝息を吸うそうで、このとき、吸われているところを誰かに目撃されれば、吸われた人は長寿になります。しかし、誰にも目撃されないと、翌日に死んでしまうとされています。山地乳に寝息を吸われたことで長寿になった人も、あるいは死んだ人もいないそうですが、土地によっては皆が山地乳を恐れているそうです。

 


参考文献
本竹原春泉 絵本百物語―桃山人夜話―』 多田克己 編、京極夏彦 ほか文 (国書刊行会)
本妖怪事典』 村上健司 (毎日新聞社)


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