水の精
みずのせい

 『今昔物語集』に記されている妖怪。
 夏のある夜のこと。陽成院の御殿にある池の傍に住んでいた男性が、西にある台所で眠っていました。すると、3尺ほどの大きさの翁が出てきて、顔を撫でていきました。男性がそのまま狸寝入りをしていると、翁は池の傍に行って姿を消しました。
 ある武士がこの話を聞きつけ、翁の正体を確かめるために待ち構えていると、夜になってその翁が出現。武士は翁を捕まえて縛りました。翁は話しかけられても黙っていましたが、そのうち「水を盥に入れて持ってきてくれ」などと言いだしました。言われたとおりに水を大きな盥に入れて運んでくると、翁は盥を覗き込み、中に映った影を見て、「私は水の精だ」と言い、縄から抜け出して水の中に入り込みました。盥の中の水をそのまま池に流すと、それ以来、翁は姿を見せなくなりました。

 


参考文献
本妖怪事典』 村上健司 (毎日新聞社)
本日本妖怪大事典』 水木しげる 画、村上健司 編著 (角川書店)


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