飯笥マジムン
みしげーまじむん

 沖縄県に伝わる杓文字の妖怪。
 ある夜、道で牛が蹲っているのを見つけた農民が、その牛を牛小屋に連れて行きました。牛にサトウキビの葉をやると、牛はそれをたくさん食べました。しかし、翌日の朝になって牛小屋に行ってみると、山積みになった黍に杓文字が1本乗っているだけで、牛の姿はどこにもありませんでした。
 他にも、夜に誰かが戸を叩くので開けてみると、杓文字が1本だけ落ちていたという話もあります。
 また、処分された器物は毛遊び(夜に男女が外で遊ぶこと)をすることがあると伝えられています。ある夜、男性が賑やかな蛇味線の音を聞きつけて、頬被りをしてその人たちのなかに紛れ込みました。彼が飲んだり踊ったりしていると、やがて夜が明け始め、1人去り、2人去り、やがて彼以外は誰もいなくなってしまいました。男性はその場で眠り、暫くして目覚めると、周囲には杓子や箸や杓文字などが散らばっていたそうです。

 


参考文献
本妖怪事典』 村上健司 (毎日新聞社)
本日本妖怪大事典』 水木しげる 画、村上健司 編著 (角川書店)
本 『怪異の民俗学2 妖怪』 小松和彦・責任編集 (河出書房新社)

関連頁
もののけが湧く書庫
 └ 琉球妖怪変化種目―附民間説話及俗信― 金城朝永 1931年


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