みづち

 日本や中国に伝わるの類。蛟竜とも書きます。
 『山海経』によると、魚が2600匹まで増えると、そこに蛟がやって来て長になるそうです。
 『日本書紀』には次のような話があります。379年(仁徳天皇67年)のこと。吉備中国の川嶋川(岡山県の阿部川)にみづちが棲んでいました。みづちは毒を放ち、近くを通った人を殺しました。あるとき、笠臣の祖である県守が、みづちを退治するために瓢箪を3つ川に浮かべました。県守が「瓢箪が沈んだら私の負けとするが、沈まなければお前を退治する」と宣言すると、鹿に化けたみづちが出現。みづちは瓢箪を水の中に沈めようとしましたが、うまくいきません。県守はそれを見て、川に入り、蛟を倒しました。
 『本草綱目』を引いた『和漢三才図会』によると、蛟は龍属で、長さは一丈。蛇に似ていて、鱗があり、4本足。形は楯のようで、頭が小さく、細い頸の周りには輪のような白い模様がついているそうです。魚を率いて飛びますが、鼈がいるときであれば、魚は蛟から逃れることができます。
 この「ミヅチ」という名称は、水(ミヅ)の精霊(チ)を意味するとされています。

 鹿児島県などでは、河童のことをミヅチと呼びます。

 


参考文献
本 『河童の研究』 大野桂 (三一書房)
本妖怪事典』 村上健司 (毎日新聞社)
本日本妖怪大事典』 水木しげる 画、村上健司 編著 (角川書店)


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