ほう

 畑鼎の『一宵話』に記されている妖怪。
 1609年4月4日の朝、駿府城の庭に、肉人とでも呼ぶべき姿をした奇怪なものが現われました。肉人は、指のない手で上のほうを指したまま立っていました。城の者たちはこれを捕まえようとしましたが、動きが早くて捕まえられません。やがて徳川家康が「人の目につかぬ場所に追い出してしまえ」と命じたので、家康の家来たちは肉人を小山のほうへ追い出しました。その後、ある薬学に詳しい人が肉人の話を聞き、「それは『白沢図』にある封というものだ。その肉は武勇が増す薬になる」などと言って、追い出してしまったことを残念がったそうです。

 


参考文献
本 『「怪」vol.0017』 (角川書店)
本日本妖怪大事典』 水木しげる 画、村上健司 編著 (角川書店)


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