塗壁
ぬりかべ


「ぬりかべ」
【江戸時代】

アメリカ、ブリガムヤング大学のハロルド・B・リー図書館が所蔵する妖怪絵巻の一部。

 福岡県、大分県に伝わる妖怪。
 福岡県の伝承については、柳田國男の「妖怪名彙」(1938)に「ヌリカベ 筑前遠賀郡の海岸でいう。夜路をあるいて居ると急に行く先が壁になり、どこへも行けぬことがある。それを塗り壁といって怖れられて居る。棒を以て下を払うと消えるが、上の方を敲いてもどうもならぬという。壱岐島でヌリボウというのも似たものらしい。夜間路側の山から突出すという。出る場処も定まり色々の言い伝えがある(続方言集)」 と記されています。
 大分県では、突然目の前が暗くなったり、白い壁が現われたりするものとして伝えられており、がその正体だとされることもあるようです。また、「壁塗り」という名称の、塗壁に類似した妖怪も伝えられています。

 「ぬりかべ」という名称の妖怪は、享和年間ごろにつくられたと思われる絵巻にも見られます。そちらは三つ目の動物のような姿に描かれており、福岡県や大分県に伝わる塗壁との関連は分かっていません。

 


参考文献
本妖怪談義』 柳田國男 (修道社)
本妖怪事典』 村上健司 (毎日新聞社)
本日本妖怪大事典』 水木しげる 画、村上健司 編著 (角川書店)
本 『「怪」vol.0016』 (角川書店)
本 『妖怪の理 妖怪の檻』 京極夏彦 (角川書店)

関連頁
もののけが湧く書庫
 └ 妖怪名彙 柳田國男 1938〜1939年


もののけが集うホームページ

 

    
    
    

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