ぬえ


『今昔画図続百鬼』明 「ぬえ」
鳥山石燕
【江戸時代】

 鵺の鳴き声に似た声を発する妖怪。
 源頼政によって退治される話が『平家物語』などにあります。
 京都で、毎晩丑の刻になると、東三条の森から黒い雲が出てきて御所の上を覆うという怪事件があり、近衛天皇は怯えていました。この黒雲の妖怪を退治するために、弓が得意な武士 源頼政が従者の猪早太とともに御所を訪れ、妖怪の出現を待ちました。すると丑の刻半ば、やはり御所の上を黒雲が覆いました。頼政が黒雲に向かって矢を射ると、黒雲から妖怪が落下。その姿は、頭は猿、手足は虎、胴体は狸、尾は蛇という異形でした。
 その死体は川に流されて、現在の大阪府の都島や兵庫県の芦屋に流れ着いたと云われ、そこでは鵺を葬った鵺塚がつくられました。また、退治された鵺の胴体から犬神が生まれたという伝承もあります。

 鳥山石燕の『今昔画図続百鬼』(1779)にも"ぬえ"が描かれ、「ぬえは深山にすめる毛鳥なり 源三位頼政 頭は猿 足手は虎 尾はくちなわのごとき異物を射おとせしになく声のぬえに似たればとてぬえと名づけしならん」 と記されています。

 また、1416年には、身体が鶏、頭が猫という姿の鵺が京都北野社に現われたそうです。

 


参考文献
本鳥山石燕 画図百鬼夜行』 高田衛 監修、稲田篤信 田中直日 編 (国書刊行会)
本妖怪事典』 村上健司 (毎日新聞社)
本日本妖怪大事典』 水木しげる 画、村上健司 編著 (角川書店)
本 『「怪」別冊 必携 妖怪暦 平成十七年度版』 「怪」編集部編 (角川書店)


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