人魚
にんぎょ


『今昔百鬼拾遺』雲 「人魚」
鳥山石燕
【江戸時代】

 各地でいう、魚と人を合わせたような姿の妖怪。
 日本での人魚の初出は『日本書紀』だそうで、619年、大阪で漁師の網に人魚がかかったことが記されています。
 かつては人魚が現われると善いことがあるとされていましたが、後に、人魚が現われると暴風雨や津波が起きるともいわれるようになりました。

 人魚の肉はとても美味しく、食べると長生きできるとも云われています。八百比丘尼という人は、人魚の肉を食べて800歳まで生きたそうです。
 北海道ではアイヌソッキと呼ばれる妖怪が伝わっています。上半身が人間で腰より下が魚という、人魚のような姿のもので、噴火湾に棲むとされていました。その肉を食べた者は、やはり長寿になったそうです。
 しかし、これらの例とは反対に、人魚を食べたり殺してしまったりすると、後に悪いことが起こるとする話も伝えられています。『諸国里人談』には、漁師が人魚を殺してしまったために、村が地震や大風で崩壊してしまったという話があります。

 鳥山石燕の『今昔百鬼拾遺』(1781)にも人魚が描かれ、「建木の西にあり 人面にして魚身足なし 胸より上は人にして下は魚に似たり 是てい人国の人なりとも云」 と記されています。

 


参考文献
本鳥山石燕 画図百鬼夜行』 高田衛 監修、稲田篤信 田中直日 編 (国書刊行会)
本妖怪事典』 村上健司 (毎日新聞社)
本日本妖怪大事典』 水木しげる 画、村上健司 編著 (角川書店)
本 『全国妖怪事典』 千葉幹夫 編 (小学館ライブラリー)
本 『妖怪画談』 水木しげる 著 (岩波新書)
本 『Books Esoterica 24 妖怪の本』 (学研)


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