肉吸い
にくすい


『百鬼夜講化物語』 「肉吸」
江戸伊勢屋治助
【江戸時代】

 三重県でいう、山に現われる妖怪。
 18歳か19歳くらいの女の姿になって、「ホーホー」と笑って人に近寄り、「火を貸してくれ」などと頼みます。そして、人から提灯を受け取ると、その火を消して、人の肉を吸い取ってしまうのだそうです。そこで人々は、夜に山を歩くときには火縄を持っていき、火種が絶えないようにしていました。
 あるとき、山の中で猟師が化け物と遭遇し、「南無阿弥陀仏」と彫られた鉄砲玉で退治しました。その化け物の身体には肉がなく、皮と骨だけでした。この化け物が肉吸いの正体だったようです。

 江戸伊勢屋治助の『百鬼夜講化物語』にも肉吸という妖怪が描かれ、「心~おとろへたる人には かならず妖怪ひまをうかゞふもの也 されば地黄をのむ人の美しき看病人は遠慮すべし」 と記されています。

 


参考文献
本妖怪事典』 村上健司 (毎日新聞社)
本日本妖怪大事典』 水木しげる 画、村上健司 編著 (角川書店)
本 『百鬼繚乱 江戸怪談・妖怪絵本集成』 近藤瑞木 編 (国書刊行会)


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