通り悪魔
とおりあくま

 江戸時代に書かれた随筆などに記載がある、人間に憑いて心を乱すもの。
 『思出草紙』に次のような話があります。ある夕方、剃刀を研いでいた武士が、障子の隙間から何気なく外の板塀の上を見ると、そこには、甲冑を着て長刀や槍を持った30騎以上の武者がいました。武士は研いでいた剃刀を投げ捨ててひれ伏し、意識をへその下に集中させるようにして精神を落ち着かせました。そうしているうちに甲冑の武者はいなくなりましたが、塀の向こうにある家では、人が乱心し、他の人に怪我をさせて自殺してしまいました。通り悪魔を見て慌てた人間は、乱心して災いをもたらすので、通り悪魔を見ても落ち着いて心を静めることが大切なのだそうです。

 


参考文献
本妖怪事典』 村上健司 (毎日新聞社)
本日本妖怪大事典』 水木しげる 画、村上健司 編著 (角川書店)


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