天火
てんか、てんび、てんぴ


『絵本百物語』四 「天火」
桃山人・文、竹原春泉・画
【江戸時代】

 熊本県、佐賀県、愛知県、岐阜県などに伝わる火の妖怪。
 柳田國男の「妖怪名彙」(1938)にも「テンピ 天火。これは殆ど主の知れない怪火で、大きさは提灯ほどで人玉のように尾を曳かない。それが屋の上に落ちて来ると火事を起すと肥後の玉名郡ではいい(南関方言集)、肥前東松浦の山村では、家に入ると病人が出来るといって、鉦を叩いて追出した。或はただ単に天気がよくなるともいったそうである」 と記されています。
 また、岐阜県では夏の夕方に大きな音を出しながら飛ぶと云われ、愛知県では夜なのに行く先がまるで昼のように明るくなるものだそうです。

 『絵本百物語』(1841)にも天火が描かれ、「またぶらり火ともいふ 地より卅間余は魔道にてさまざまの悪鬼ありてわざわひをなせり」 と記されています。

 


参考文献
本妖怪談義』 柳田國男 (修道社)
本妖怪事典』 村上健司 (毎日新聞社)
本日本妖怪大事典』 水木しげる 画、村上健司 編著 (角川書店)
本竹原春泉 絵本百物語―桃山人夜話―』 多田克己 編、京極夏彦 ほか文 (国書刊行会)

関連頁
もののけが湧く書庫
 └ 妖怪名彙 柳田國男 1938〜1939年


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