朱の盤
しゅのばん

 福島県や新潟県に伝わる妖怪。「朱盤」や「首盤」とも書きます。
 新潟県に伝わる朱盤は、朱盤のような顔をした大きな坊主だとされていて、青石塔のある場所に現われたそうです。昔、原山藤次郎という金持ちが、金を青石塔に埋めました。その金を盗もうとする者がいましたが、化け物がいるので盗むことができませんでした。
 『老媼茶話』には次のような話があります。昔、会津の諏訪の宮に朱の盤がいると言われていました。ある日の夕方、若い侍が1人、そこを通りました。するともう1人侍が来たので、その侍に、以前から噂に聞いていた朱の盤について訊ねました。すると相手の侍は「その化け物はこのような者か」と言って、顔が赤く、額に角があり、口が裂けた、皿のような目の化け物になってしまいました。化け物が歯噛みをすると雷のような音がしました。若い侍は驚いて気絶してしまい、それから1時間ほどして目を覚まし、近くの家に入って水を貰いました。その家の女房にわけを訊かれたので、侍は朱の盤に会ったことを話しました。すると女房は、「朱の盤というのはこのような者でございますか」と言って、先ほどの化け物の姿に変わりました。侍はまた気絶してしまい、そのうち目を覚ましましたが、100日後に命を落としました。
 似たような話は『諸国百物語』にもあります。

 


参考文献
本妖怪事典』 村上健司 (毎日新聞社)
本日本妖怪大事典』 水木しげる 画、村上健司 編著 (角川書店)


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