猩々
しょうじょう

 岩手県、鳥取県、富山県、兵庫県、山口県、山梨県、和歌山県などの伝説や昔話に登場する妖怪。
 元々は中国に伝わる酒の好きな猿の妖怪で、山に棲むものだと言われていました。日本では髪が赤い妖怪とされていて、多くの場合は海に現われます。日本の猩々も酒が好きだと言われています。
 岩手県では、ある長者が猩々を見ようと浜辺に酒樽を埋めると、そこに猩々が来て、酒を全て飲んで逃げ去ったそうです。
 鳥取県では、顔や衣服が真っ赤な猩々が、麒麟送子という祭事の先払い役を勤めます。
 富山県では、海に船を出すと1メートルほどの大きさの海猩々が現われて、船の舳先に座ることがあると言われています。5、6匹現われることもあり、それに驚いて騒いだりすると船をひっくり返されてしまいます。そのため、船乗りは猩々が現われても静かに船底で打ち伏したそうです。
 山口県の周防大島に伝わる猩々は、舟幽霊に近い性質があります。夜に海へ出ると、海の中から「樽をくれ」という声が聞こえてくるそうで、底を抜いた樽を海に投げ入れれば助かりますが、底を抜かないと船に水を入れられ、沈められてしまいます。
 山梨県での猩々の話は『裏見寒話』にあります。ある猟師が、西地蔵岳で七尺ほどの大きさの猩々に出会いました。猟師は鉄砲で猩々を攻撃しましたが、猩々はあまり痛そうな素振りを見せず、傷口に草を詰めて去っていったそうです。

 


参考文献
本妖怪事典』 村上健司 (毎日新聞社)
本日本妖怪大事典』 水木しげる 画、村上健司 編著 (角川書店)


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