シチ

 沖縄県や鹿児島県奄美諸島の喜界島に伝わる妖怪。
 喜界島で云うシチは、地面と空を繋ぐ黒い柱のようなものです。難産のために死んでしまった女の霊がシチになると云われていて、二十三夜様という昔話に登場します。
 沖縄県で云うシチは、道の辻にいる幽霊の一種で、人を道に迷わせます。また、人に出会うと白飯と赤飯どちらかを選ばせて、白飯を選んだ人には海の波の飛沫を、赤飯を選んだ人には赤土を食べさせるとも云われています。シチに出会ってしまったときは、男性であれば褌を鉢巻にすれば良いとされ、また女なら頭に腰巻を被れば良いそうです。夜道を歩くときに筵を持っていたり櫛をさしていたりすると、シチに騙されてしまいます。シチは風のように走ったり、水の上を走ることもできます。シチマジムン、ヒチとも呼ばれています。
 金城朝永の「琉球妖怪変化種目」(1931)には「シチ 真黒で、山路を歩くと前に立ち塞がって人の邪魔をする。クルク山のシチ・マジムンは山原地方で有名だそうだ。(伊波普猷先生談)」 と記されています。

 


参考文献
本妖怪事典』 村上健司 (毎日新聞社)
本日本妖怪大事典』 水木しげる 画、村上健司 編著 (角川書店)
本 『怪異の民俗学2 妖怪』 小松和彦・責任編集 (河出書房新社)

関連頁
もののけが湧く書庫
 └ 琉球妖怪変化種目―附民間説話及俗信― 金城朝永 1931年


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