葛の葉
くずのは


『絵本百物語』三 「葛の葉」
桃山人・文、竹原春泉・画
【江戸時代】

 大阪府でいう
 昔、信太の森の白狐が“葛の葉”という女に変化し、安倍保名という武士の妻になりました。二人の間には男の子が産まれましたが、数年後、葛の葉は神通力が弱って狐の姿へと戻ってしまい、我が子に正体を見られてしまいました。狐だと知られた葛の葉は、障子に「恋しくば尋ね来てみよ和泉なる信太の森のうらみ葛の葉」という一首を置いて去っていきました。葛の葉のことを忘れられない保名と子供が信太の森を訪ねると、葛ノ葉稲荷の社殿にたくさんの葛が生茂っています。保名は子供のお守りとして、その葛を大切に育てました。
 保名と葛の葉の子供は後に、陰陽師の安倍晴明になったと云われています。

 『絵本百物語』(1841)には「信太杜のくずの葉の事は稚児までも知る事なればここにいわず」 と記されています。
 晴明の母である葛の葉の伝説は、江戸時代に歌舞伎や浄瑠璃の題材として扱われ、よく知られる物語になりました。

 


参考文献
本竹原春泉 絵本百物語―桃山人夜話―』 多田克己 編、京極夏彦 ほか文 (国書刊行会)
本日本妖怪大事典』 水木しげる 画、村上健司 編著 (角川書店)
本妖怪ウォーカー』 村上健司 (角川書店)


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