黒手
くろて

 『四不語録』に記載がある妖怪。
 慶長年間(1596〜1615年)、能登国(石川県)の笠松甚五兵衛という人の屋敷でのこと。夜、便所に行った際、何者かに尻を撫でられる怪異がありました。狐狸の仕業だろうと考えた甚五兵衛は、あるとき短刀を所持して便所に入り、黒い毛むくじゃらの手が出てきたところを短刀で切り落として、その手を箱に入れておきました。その後、手を切られた妖怪が三人組の行脚僧に化けて出現。甚五兵衛は斬った手を奪い返されてしまいました。
 そしてある日の夕方、道を歩いていた甚五兵衛は、空から舞い降りてきた衾のような物に包まれて浮かび上がり、2メートルほどの高さから落とされました。そのとき、黒い手を切り落とすのに使った短刀がなくなってしまったそうです。

 


参考文献
本妖怪事典』 村上健司 (毎日新聞社)
本日本妖怪大事典』 水木しげる 画、村上健司 編著 (角川書店)


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