木の葉天狗
このはてんぐ

 猛禽類のような姿の天狗
 静岡県の大井川に現われた木の葉天狗のことが『諸国里人談』に記されています。翼が6尺ある鳶のような姿をしたものが、夜の土手にたくさん出てきて、魚を捕っていたそうです。
 山口県岩国の怪談を集めた『岩邑怪談集』にも木の葉天狗の話があります。宇都宮郡右エ門という人が猟に出かけたときのこと。彼の前に小僧の姿をした木の葉天狗が現われて、「銃を撃ってみろ」と言いました。小僧の正体が木の葉天狗だと感づいた郡右エ門は、天狗を驚かそうと、こっそり玉を2つ込めて打ちました。しかし木の葉天狗はまったく動じず、「その玉はここにある」と言って玉を郡右エ門に渡し、去っていきました。
 子供の頃、天狗に攫われて天狗の世界に行ったことがあるという源左衛門の語った話が松浦静山の『甲子夜話』に記されており、そこに木の葉天狗についての説明があります。それによると、木の葉天狗は天狗の中でも地位が低く、登山者を背負ったり、薪を売ったりして金を稼ぐそうです。年をとった狼が木の葉天狗になるそうで、天狗の世界では白狼と呼ばれています。

 


参考文献
本妖怪事典』 村上健司 (毎日新聞社)
本日本妖怪大事典』 水木しげる 画、村上健司 編著 (角川書店)


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