小池婆
こいけばば

 島根県に伝わる猫の妖怪。
 昔、小池という武士の家に草鞋取りをする男性がいました。正月、彼は実家に帰り、次の日の朝にまた主人の家へと向かいました。その途中、檜山を歩いていると狼の群れが襲ってきたので、男性は木の上に避難しました。狼たちはみんなで肩車をして男性に迫りましたが、それでも高さが足りません。すると上の狼が「小池婆を呼べ」と吠えました。それを聞いて、一匹の大きな猫が出現。肩車をする狼の上に登ってきました。男性が刀で猫の眉間に斬りつけると、金物が落ちたような音が聞こえて、猫や狼たちは退散。男性が木から降りると、そこには茶釜の蓋が落ちていました。主人の家に帰ってみると、家では主人の母親が便所に行くときに転び、額に大怪我をしたと騒ぎになっていました。しかも、茶釜の蓋をなくしたと言って探している人もいます。男性は主人に檜山で遭ったことを話し、主人の母親を怪しみました。男性が寝込んでいる主人の母親を刺し殺すと、その死体はやはり、大きな猫でした。

 


参考文献
本妖怪事典』 村上健司 (毎日新聞社)
本日本妖怪大事典』 水木しげる 画、村上健司 編著 (角川書店)


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