キジムナー

 沖縄県に伝わる妖怪。
 カジュマル、フクギ、センダン、アコウなどの木に宿る子供ほどの大きさのもので、髪が長く、毛で全身が覆われていて、赤い顔をしています。寝ている人を押さえつけたり、赤い土を赤飯に見せかけて食べさせたりといった悪戯をすると言われ、蛸、鶏、屁、熱くなった鍋蓋などが苦手だと伝えられています。
 よくキジムナーは、火を灯して海に行き、魚や蟹を捕ります。キジムナーとともに漁へ行くと、たくさんの魚を捕ることができますが、キジムナーが魚の片目を食べるので、捕れた魚はすべて片目がないのだそうです。
 旧暦8月10日の妖怪日になると、キジムナーの火を見るために見物人たちが集まったそうです。また、火元の分からない奇妙な火を「キジムナ火」と呼び、これが家の屋根から出るのは死の前兆だと考えられていました。

 昭和頃までは、キジムナーの足跡を見る遊びがありました。まず、静かで暗い所に丸を描いて、そこに小麦粉などの白い粉を撒きます。そして、その丸の真ん中に火のついた線香を立てて呪文を唱え、隠れて20まで数えます。それから元の場所に戻ってみると、小麦粉の上にキジムナーの足跡が残っているのだそうです。
 大宜味村には「アラミ」という風習がありました。旧暦8月頃、丘や木の上に小屋をつくって、徹夜しながらブナガヤ(キジムナーの別名)が来るのを待つというもので、戦後まで行なわれていたようです。

 キジムナーの別名(あるいは類似の妖怪)には、アカガンター、アカガンターワラビ、アカタニボーヅ、ガヤブヤー、キジムン、キムヤー、シノーリキヂムナー、精魔(セーマ)、セーマグ、ハンダンミー、ヒヂムン、ピヂムン、ヒドゥムン、ブナガイ、ブナガヤ、フルファガ、ボーヂマヤー、ミチバタ、ヤンバサカーなどがあります。

 


参考文献
本妖怪事典』 村上健司 (毎日新聞社)
本日本妖怪大事典』 水木しげる 画、村上健司 編著 (角川書店)
本 『津々浦々「お化け」生息マップ』 宮本幸枝-著、村上健司-監修 (技術評論社)
本 『ヴィジュアル版 謎シリーズ 日本の妖怪の謎と不思議』 (Gakken)
本 『怪異の民俗学2 妖怪』 小松和彦・責任編集 (河出書房新社)

関連頁
もののけが湧く書庫
 └ 琉球妖怪変化種目―附民間説話及俗信― 金城朝永 1931年


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