鬼一口
おにひとくち


『今昔百鬼拾遺』霧 「鬼一口」
鳥山石燕
【江戸時代】

 鳥山石燕の『今昔百鬼拾遺』(1781)に描かれたもの。
 「在原業平二条の后をぬすみいでて あばら屋にやどれるに鬼一口にくひけるよし いせ物がたりに見えたり 白玉か何ぞと人のとひし時露とこたへてきえなましものを」 と記されています。

 石燕の描いた鬼一口は、『伊勢物語』にある話が基になっています。
 ある男性が長年に渡って女のもとに通い続け、あるとき女を連れ出しました。そのうち雨が降り出したので、戸締りがされていない蔵の中に入り、女を蔵の奥の方に行かせて、男性は蔵の入り口で夜明けを待ちました。しかし、夜が明けると奥にいたはずの女はいなくなっていました。じつは、2人が入った蔵の中にはがいて、女は鬼に食べられてしまったのです。

 


参考文献
本鳥山石燕 画図百鬼夜行』 高田衛 監修、稲田篤信 田中直日 編 (国書刊行会)
本妖怪事典』 村上健司 (毎日新聞社)
本日本妖怪大事典』 水木しげる 画、村上健司 編著 (角川書店)


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