おに


『今昔画図続百鬼』雨 「鬼」
鳥山石燕
【江戸時代】

 山、里、地獄などにいる妖怪。
 古今東西、さまざまなイメージで伝えられています。

 中国で鬼(キ)と言えば、幽霊のような存在のことです。
 死んだ者の魂魄は魂と魄に分かれ、魂は天上へ行き、魄は鬼になって地に帰るといわれていました。

 日本では、かつて大原郡阿用郷に一つ目の鬼が現れ、農民を襲って食べたという話が『出雲国風土記』にあります。鬼に襲われた農民は「動動(アヨアヨ)」と叫んだので、その場所を「阿欲(アヨ)」と呼ぶようになったそうです。これが日本の文献の中で最初に登場した地上の鬼だとされています。
 平安時代には鬼を「オニ」あるいは「モノ」と言い、意味を使い分けていたようです。「オニ」は「隠(オン)」が語源とされ、実体を感じることができる霊的存在を意味し、一方「モノ」は実体のない霊的存在を表す言葉でした。
 江戸時代ごろまでには、腰に虎の皮をまとい頭に角を生やした、現在のイメージと変わらない鬼が登場。鳥山石燕の『今昔画図続百鬼』(1779)には「世に丑寅の方を鬼門といふ 今鬼の形を画くには頭に牛角をいただき腰に虎皮をまとふ 是丑と寅との二つを合わせてこの形をなせりといへり」 と記されています。

 


参考文献
本鳥山石燕 画図百鬼夜行』 高田衛 監修、稲田篤信 田中直日 編 (国書刊行会)
本妖怪事典』 村上健司 (毎日新聞社)
本日本妖怪大事典』 水木しげる 画、村上健司 編著 (角川書店)
本 『Truth In Fantasy 47 鬼』 高平鳴海 糸井賢一 大林憲司 エーアイ・スクウェア 共著 (新紀元社)
本 『もののけと悪霊祓い師』 志村有弘 編 (勉誠出版)


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