犬神
いぬがみ


『画図百鬼夜行』陰 「犬神 白児」
鳥山石燕
【江戸時代】

『塵埃』より、犬神の画
岡熊臣
【江戸時代】

『百怪図巻』 「犬神」
佐脇嵩之
【江戸時代】

 中国、四国、九州地方に伝わる憑き物。
 これにとり憑かれた人は、病気になったり、犬のような動作をしたりします。
 犬神の姿については、赤や黒の斑模様がある犬で、大きさは掌にのってしまうくらいしかないとか、鼠のようなもの、白や黒の斑模様あある鼬のようなものだなどと、様々に伝えられています。
 餓死しそうな犬を首まで地面に埋めて、食べ物を犬の目の前に置き、犬がそれを食べようとしたときに首を刀で斬ることで犬神が生まれると云われています。また、弘法大師が猪避けのために描いた犬の絵から生まれたものだとか、源頼政によって退治されたの身体が四つに分裂して飛び去ったものが犬神になったといった伝承もあります。

 鳥山石燕の『画図百鬼夜行』(1776)には白児という妖怪とともに描かれています。

 

日本全国の犬神の類
名前 地域
犬神(イヌガミ) 中国、四国、九州地方
犬神狐(イヌガミギツネ) 山口県
イヌガメ 島根県
犬外道(イヌゲドウ) 山口県、広島県
イリガミ 鹿児島県
インカゼ 熊本県
インガミ 熊本県
インガメ 沖縄県、鹿児島県、熊本県、宮崎県
コロコロ 大分県
サイトー 秋田県、神奈川県、兵庫県
七十御前(シチジュウゴゼン) 香川県
吸いかずら(スイカズラ) 徳島県

 


参考文献
本鳥山石燕 画図百鬼夜行』 高田衛 監修、稲田篤信 田中直日 編 (国書刊行会)
本妖怪図巻』 京極夏彦 文、多田克己 編・解説 (国書刊行会)
本妖怪事典』 村上健司 (毎日新聞社)
本日本妖怪大事典』 水木しげる 画、村上健司 編著 (角川書店)


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