茨木童子
いばらぎどうじ

 酒呑童子の手下の
 謡曲『羅生門』の続きとして明治時代につくられた謡曲『茨木』では、渡辺綱に斬り落とされた腕を、祖母の姿に化けて取り戻しています。

 大阪府には茨木童子の生い立ちが伝わっています。
 昔、摂津国の水尾村で男の赤子が生まれました。赤子は生まれたときから髪が肩までのびていて、歯も生えていました。そして、生まれてすぐに歩き出し、鋭い目つきで母親の顔を見つめ、気味の悪い笑みを浮かべたのです。その様子を見た母親は驚いて死去。赤子は父親からも気味悪がられ、茨木村の森の近くに捨てられてしまいました。
 しかし、赤子は運良く床屋に拾われて育てられました。やがて赤子は成長し、床屋の仕事を手伝うようになります。
 ある日、童子は誤って剃刀で客を傷つけてしまいました。客の血をぬぐって嘗めた童子は、血の味をとても気に入ってしまい、それ以来、わざと客を傷つけて血を嘗めるようになりました。童子がそんなことを続けたため、床屋には客がまったく来なくなってしまい、床屋の親方は童子を叱りつけました。次の日の朝、童子は顔を洗うために川へ行きました。親方に怒られたことで気落ちしていた童子が橋から川の水面を覗きこむと、水面に写った自分の顔が鬼のような恐ろしい顔になっていることに気がつきました。驚いた童子は山の中へと逃げて、その後「茨木童子」と名乗るようになったそうです。
 童子が自分の顔を覗きこんだ橋は後に「茨木童子貌見橋」と呼ばれるようになりましたが、現存していません。

 


参考文献
本 『Truth In Fantasy 47 鬼』 高平鳴海 糸井賢一 大林憲司 エーアイ・スクウェア 共著 (新紀元社)
本妖怪事典』 村上健司 (毎日新聞社)
本日本妖怪大事典』 水木しげる 画、村上健司 編著 (角川書店)


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