あやかし


『今昔百鬼拾遺』霧 「あやかし」
鳥山石燕
【江戸時代】

 佐賀県や山口県に伝わる船幽霊
 あるいは、長崎県に伝わる火の妖怪。海の上に出没します。

 鳥山石燕の『今昔百鬼拾遺』(1781)には海蛇のような妖怪として描かれ、「西国の海上に船のかかり居る時ながきもの船をこえて二三日もやまざる事あり 油の出る事おびただし 船人力をきはめて此油をくみほせば害なし しからざれば船沈む 是あやかしのつきたる也」 と記されています。
 また、『怪談老の杖』には次のような話があります。千葉県長生郡大東崎に上陸した船人が、井戸で水を汲んでいる美しい女を見つけました。船人は女から水を貰い、船に戻ってその話をすると、船頭が「その場所に井戸などないはずだ。昔、ここへ水を汲みに行った者がいたが、そのまま行方がわからなくなった。その女はアヤカシに違いない」と言い出しました。慌てて出航すると、女が海に飛び込んで船に迫ってきます。船人は船に噛り付いてきた女を櫓で叩き、どうにか逃げることができたそうです。

 


参考文献
本鳥山石燕 画図百鬼夜行』 高田衛 監修、稲田篤信 田中直日 編 (国書刊行会)
本妖怪事典』 村上健司 (毎日新聞社)
本日本妖怪大事典』 水木しげる 画、村上健司 編著 (角川書店)


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