赤えいの魚
あかえいのうお


『絵本百物語』三 「赤えいの魚」
桃山人・文、竹原春泉・画
【江戸時代】

 『絵本百物語』(1841)に描かれている、大きなエイの妖怪。
 挿絵には「この魚その身の尺三里に余れり 背に砂たまればをとさんと海上にうかべり 其時船人嶋なりと思ひ舟を寄れば水底にしづめり 然る時は浪あらくして船是が為に破らる 大海に多し」 と記されています。
 安房の国(千葉県)の野島が崎に、又吉と佐吉という船頭がいました。彼らが六人で船に乗って海に出た際、暴風に遭って三人が溺れ死んでしまいました。生き残った三人は島に上陸しましたが、そこには人がおらず、見慣れない草木が岩に生茂り、たくさんの藻屑が梢にかかっていて、水を探しても塩水ばかりでした。三人が再び船に乗って十町ほど離れると、島は海底に沈んでしまいました。じつは、この島は大きな魚だったのです。

 


参考文献
本竹原春泉 絵本百物語―桃山人夜話―』 多田克己 編、京極夏彦 ほか文 (国書刊行会)
本妖怪事典』 村上健司 (毎日新聞社)
本日本妖怪大事典』 水木しげる 画、村上健司 編著 (角川書店)


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