油取り
あぶらとり

 東北地方に伝わる、子供を誘拐する妖怪。
 子供の身体から油を搾り出すといわれています。
 岩手県で語られた油取りについては、柳田国男の『遠野物語拾遺』に「これは維新当時のことと思われるが、油取りが来るという噂が村々にひろがって、夕方過ぎは女子供は外出無用との御布令さえ庄屋肝入りから出たことがあったそうな。毎日のように、それ今日はどこ某の娘が遊びに出ていて攫われた、昨日はどこで子供がいなくなったという類の風説が盛んであった。ちょうどその頃川原に柴の小屋を結んだ跡があったり、ハサミ(魚を焼く串)の類が投げ棄ててあったために、油取りがその串に子供を刺して油を取ったものだなどといって、ひどく怖れたそうである。油取りは紺の脚絆に、同じ手差をかけた人だといわれ、油取りが来れば戦争が始まるとも噂せられた。これは村のたにえ婆様の話であったが、同じような風説は海岸地方でも行なわれたと思われ、婆様の夫治三郎爺は子供の時大槌浜の辺で育ったが、やはりこの噂に怯えたことがあるという」 と記されています。

 


参考文献
本妖怪事典』 村上健司 (毎日新聞社)
本日本妖怪大事典』 水木しげる 画、村上健司 編著 (角川書店)
本 『新版 遠野物語 付・遠野物語拾遺』 柳田国男 (角川学芸出版)


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